「気になる物件を見つけて不動産会社に問い合わせたら、『すでに申し込みが入ってしまった』と言われてしまった…」ということはありませんか?そのような物件は「おとり物件」である可能性があります。実際に存在しない物件のために不動産会社に問い合わせたり実際に足を運ぶことは、時間も交通費も無駄になってしまいます。
おとり物件とは?
おとり物件とは、実際には存在しない、または取引できないものの、広告として掲載されている不動産物件情報のことです。なお、こういったおとり物件の掲載は法律で禁止されていますが、「問い合わせたらすでに契約済みだった」ということを多くの人が経験するのもまた事実です。
実際の状況と更新が行われるまでのタイムラグによっておとり物件となるケース
1つの不動産物件の情報は、多くの物件で扱われています。そのため、掲載した最初は取引することが可能だったものの成約済みとなった物件の情報が、更新される前に問い合わせてしまったケースです。
不動産会社が掲載している物件は、
- 自社で管理している物件
- 自社以外(他社・オーナーや個人)が管理している物件
の2つに分けられます。①の自社管理の物件に関しては、すぐに気づくことができますが、②の他社管理の物件に関しては、その管理会社やオーナーは自主的に広告を掲載している会社に「成約したから広告を削除してほしい」という連絡を基本的には行いません。加えて「物件の多くが基本的に②」です。
加えて、多くの仲介会社は手作業にて賃貸サイトに情報を掲載・更新しています。
そのため、掲載している物件が契約できないことに気づくまでに一定のタイムラグが発生してしまいます。
不動産会社は広告として掲載している物件は、定期的に物件の情報を確認、更新をしなければなりませんが、その更新が怠っていた場合、「多くの物件がおとり物件となっている」ケースもあります。
意図的におとり物件を掲載している
または、実際には取引できないことを把握しているのにもかかわらず、掲載しているケースです。好条件な物件などを掲載することによって問い合わせを増やし、他の物件を提案するための「おとり」とするためのケースです。この方法は「法律で禁止されており、自主規制の対象」となっています。
このケースでは、
- その物件情報は成約済などですでに募集されていない
- 物件の募集情報は実際のものとは異なる
など様々なケースがあります。
おとり物件が多く存在していることも事実
残念なことに、公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会が2021年2月25日に発表した大手賃貸不動産サイト(SUUMO、at home、CHINTAI、HOME’S)を対象におこなった調査結果にでは、なんと全物件のうち12.2%の割合でおとり物件が掲載されていることが確認されました。さらに「事業者の36.6%がおとり物件を掲載」しているほか「34.9%の店舗でおとり物件が掲載」されていることが判明しています。
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会「インターネット賃貸広告の一斉調査報告(第8回)」(引用)
残念ながら「おとり物件に遭遇してしまう可能性は高い」ことはおさえておきましょう。
おとり物件を防ぐ方法
また、今回はおとり物件を防ぐための方法をご紹介します。
実際に問い合わせる
その不動産会社にネットや電話などで、その物件があるかどうかを問い合わせる方法です。「おとりに引っかかっているではないか」という声があるかもしれません。しかし結局のところ「まだ募集している」のか、「現在は募集終了した」のかを100%見極める方法は原則ありません。
直接不動産会社に足を運ぶのではなく「まずまだあるのかないのかを確認する」ことで、無駄な時間を軽減することができます。
しかし「募集が今さっき終了してしまった」というケースを防ぐことができないのもまた事実です。
掲載情報が信頼できる情報なのかを判断する
流動している不動産の情報をしっかり管理できている会社でなければ、多くの物件が結果的におとり物件となっている可能性もあります。その不動産会社が提供している他の物件の情報なども確認し、信頼できるかどうかを確認できるといいでしょう。
自分である程度家を絞り、直接対面するのは内見から開始する
不動産会社に行くのではなく、自分自身で家の候補を絞り、不動産会社と内見から開始する方法です。賃貸物件の現地で待ち合わせすることで、無駄な時間を軽減することができます。仮に内見ができないのであれば、不動産会社に足を運ぶ必要はありません。
現在は大手ポータルサービスで様々な情報に触れることができるほか、チャット形式で家で営業マンに相談できるサービスも多く存在します。「直接対面するのが苦手」という方は、そういったサービスを利用するといいでしょう。
不動産会社や営業マンから選ぶ
自身の知人の不動産会社や営業マンなど、信頼できる会社・人に相談するという方法です。
自身の周りに関係者がいなくても、メールやチャットなどのやりとりなどによって、信頼できるかどうかを確認するといいでしょう