一人暮らし様の家を契約する際には「敷金」・「礼金」という初期費用がかかってきます。実際この敷金と礼金は新生活を始める際に大きな負担となる費用です。それぞれのお金は何のために払うのでしょうか?たまにある「敷金・礼金なし」の物件はどういうものなのでしょうか。詳しく説明してきます。
敷金とは大家さんに担保としてあずけるお金
敷金とは、新しく不動産の契約を行う際に支払う一つで、部屋を借りる人が大家さんに担保として預けるお金のことです。そのお金は家賃が払われなかった際に充てられたり、退去する際に傷や汚れなどを元に戻す「原状回復」のために使われます。契約期間中の敷金の相場は「家賃の1ヶ月分」が相場です。
問題が起きなければ敷金は全額・または一部が返ってくる
敷金は、家賃の未納などがなく、現場復帰にお金が必要でない場合には全額返金されます。または原状回復のための工事を行ったとしても、余った金額は返却されます。いわばデポジットです。例えば敷金が5万円で、原状回復に3万円が使用された場合、差し引いた2万円が退去時に変換されることになります。
通常の生活における傷などは住民の負担にならない
なお、一般的に生活するうえで発生した劣化などに関しては、基本的に入居者の負担義務ではありません。たとえば、日光における壁の変色や冷蔵庫などの電気焼け、家具をおいている事によるへこみや跡の原状回復の費用は借りていた人ではなく大家さんが支払うべきとされています。なお、タバコの匂いやヤニ、ペットによる傷、不注意や故意に関わらず傷などは住民負担となります。また、法律上も以下のように明言されています。
外部リンク:東京都住宅政策本部「民法改正 ~令和2年4月1日から賃貸借契約等に関する民法のルールが変わります。~」
敷金が高い物件は?
敷金が2ヶ月以上など相場より高く設定されている物件も存在します。最初に預ける金額に差があるだけで、使わなければ退去時には返金されます。しかし、敷金が高めに設定されている物件の中には、退去時のクリーニング費用や、原状回復の費用が高めに設定されていて返ってくる金額が少なくなる場合もありますので、事前に確認したほうがいいでしょう。
ルームクリーニング費用が敷金から差し引かれる場合も
なお、退去時のルームクリーニング費用が敷金から差し引かれる契約も増えてきています。この契約の場合、自分でどれだけ部屋を綺麗に掃除したとしても、そのルームクリーニング費用が差し引かれることは覚えておきましょう。
敷引という書き方がされている場合も
「敷引」とは、入居時に支払う敷金のうち、一部を無条件に差し引き返金しないという条件で契約をすることです。例えばジョキの退去する際に部屋のクリーニング費用などに使われます。なお、近年ではその敷引を礼金に組み込む場合なども増えているようです。
礼金とは大家さんへのお礼のお金
礼金とは、「礼」という言葉の文字通り、「部屋を貸してくれる大家さんに対して支払うお礼のお金」のことです。なお、敷金のように退去時にお金が返ってくることはありません。なお、礼金は家賃の1ヶ月分が相場となっています。
礼金の語源は、田舎から都会へ自分の子供を預ける大家さんに「謝礼として渡した」説や、戦後に家がなくなってしまった人が住む場所を貸した際のお礼金などと言われています。
近年では、礼金が必要のない物件もありますが、人気の物件や入居率の高い物件には礼金が必要となることがほとんどです。
敷金・礼金は契約の際に支払う
敷金や礼金は契約のタイミングで不動産会社を通して支払います。なお、入居時には仲介手数料など他にも様々な初期費用が必要となります。引越の際には、それぞれどのようなものなのかを把握しておくようにしましょう。
敷金礼金がゼロの「ゼロゼロ物件」もある
この初期費用である「敷金」「礼金」がない物件も存在します。このような物件は「ゼロゼロ物件」と言われています。引越費用や家具家電など、様々な費用が嵩む入居時に、この敷金礼金がないだけで大きく初期費用を抑えることができます。しかし、この敷金礼金なしの物件には、結果的に退去時にそのお金を払うことになる場合があること、そもそも家賃が相場より高めに設定されている場合などがありますので、しっかりとメリットデメリットを総合的に判断してきめるようにしましょう。
ゼロゼロ物件に関する詳細は以下の記事をご覧いただけると幸いです。
敷金礼金は必要経費として覚えておこう
入居時に必要となる敷金とは、家賃の支払いや現状復帰を担保するために、借主が大家さんに支払う(預ける)お金で、礼金とは大家さんに対してお礼として支払うお金のことです。なお、敷金礼金がかからない物件も存在しますが、メリットデメリットをしっかりと考慮して選ぶといいでしょう。
また、敷金などはトラブルに発展しかねない内容です。自分を守るためにも、しっかりと信頼できる不動産屋とつきあうようにしましょう。