一人暮らしの場合は「ディンプルキー」を必須の条件にしてみてはいかがでしょうか。女性の方はもちろん、男性でも空き巣などに入られる可能性もあり、セキュリティは高いに越したことはありません。今回はピッキング対策に強いと言われている「ディンプルキー」について、メリットやデメリットなどをわかりやすく解説していきます。
ディンプルキーとは表面に窪みがある防犯性が高い鍵
ディンプルキーとは、鍵に深さや角度などが様々な小さなくぼみ(=dimple)のある鍵のことです。このくぼみの組み合わせが非常に複雑で、複製やピッキングなどによる不正解錠が難しく、防犯性が高い鍵として知られています。そのため、女性の一人暮らしなど、家探しの際に防犯面を重視する場合、1つの条件として加えてもいいでしょう。
ディンプルキーは、鍵のプロでも解錠に10分以上かかると言われています。一般に空き巣の多くは侵入に5分以上かかると諦めることが多いため、ディンプルキーというだけで空き巣の確率は下げることができると考えていいでしょう。
なぜディプルキーは破られにくいの?
ディンプルキーは、鍵穴の内部にはそのちいさな窪みに対応するいくつかのピンが入っています。鍵を鍵穴に差し込んだ際に、鍵穴内部のピンが押し上げられ、鍵穴の形と一致するときのみに鍵が開くようになっています。この内部のピンが上下左右、斜めなどに高さがバラバラでついているだけでなく、フェイクのピンもあるなど、パターンは数十億から数千億種類以上とも言われています。
仮にピッキングをする場合、数多くの組み合わせのなかから全てをぴったりに合わせなければならないため、ディンプルキーはピッキングに対しての体制が強いのです。
多くの物件で既にディンプルキーが使用されていることが多い
なお、ピッキングによる犯罪の増加と、ディンプルキーの防犯性の高さから、基本的に築年数の浅い物件では最初からディンプルキーが使用されていることがほとんです。なお、築年数が経過した物件でも多くがディンプルキーへ交換されており、従来の鍵が使われている物件はあまり多くはありません。ディンプルキーを条件としても、多くの物件の中から選ぶことは可能でしょう。
ディンプルキーのメリット・デメリット
それでは、ディンプルキーのメリット、デメリットについて見ていきましょう。基本的に鍵の機能としては、ディンプルキーにはデメリットというデメリットは存在しません。デメリットというよりも、セキュリティが高い分しょうがないと言える部分ばかりです。
ディンプルキーのメリット:防犯性が高い
ディンプルキーのメリットとして挙げられるのは、その防犯性の高さと言えるでしょう。上記のようにピッキングなどに対しての対応は高いほか、多くの物件ではディンプルキーとなっているため、必須の条件としても問題ありません。セキュリティを高める際によくでてくる、オートロックやTVモニターつきインターホンなどよりも多くの物件で導入されています。
ディンプルキーのデメリット:丈夫である
ディンプルキーは、耐久性が高いというメリットもあります。従来の鍵と比べ、鍵そのものも丈夫にできています。
ディンプルキーのメリット:合鍵の作成が難しい
ディンプルキーはその構造の複雑さから、合鍵の作成が従来の鍵よりも簡単ではありません。そのため、合鍵を作成するにしても受け取りまでに時間がかかる場合もあるほか、お店によっては合鍵の作成そのものを断られることもあるほどです。ものによっては、鍵メーカーの履歴から合鍵の記録を作ることができる場合もあります。このことは防犯上大きなメリットと言えるでしょう。
ディンプルキーのデメリット:鍵交換費用が高い
ディンプルキーは従来の鍵に比べて、その複雑な仕組みから鍵の交換費が高いという欠点があります。そのため、新しく物件を契約する際の初期費用が、従来の鍵に比べて少し高くなる可能性があります。ただ従来の鍵よりは防犯性が高いのは間違いないため、必要経費として考えなければならないでしょう。初期費用を低く抑えるにしても、違う費用を抑えたほうが良さそうです。
ディンプルキーのデメリット:素人目線でディンプルキーの質がわかりにくい
防犯面が高いディンプルキーとはいえど、同じディンプルキーにも低性能なものの、高性能なものがあります。素人目で物件のディンプルキーの質を見分けることは困難に近いです。ただ、仮に家の鍵のみ高価なディンプルキーを使用していても、ベランダなど他の部分が疎かでは意味がありません。防犯セキュリティは総合的に高めておく必要があるでしょう。また、ディンプルキーの詳細については、こちらの記事がとても参考になります。
→外部リンク:レスキューラボ「ディンプルキーはピッキングできる?構造・仕組みでわかる防犯性」
ディンプルキーは必須条件としつつ、他の防犯対策も
ここまでのようにディンプルキーは防犯性が高く、多くの物件で導入されているため、鍵の交換費用が少し高くなったとしても、導入したほうが無難と言えます。また仮にディンプルキーを使用していても、バンピングという鍵を叩いて開ける方法に弱いものもあります。さらに、空き巣や不審者が入ってくるのは玄関だけではありません。日々の防犯意識ももちつつ、オートロックやモニター付きインターホンなどといった総合的なセキュリティ面を考慮するようにしましょう。
また、「自分にはどのくらいのセキュリティがあればいいのか」「いろいろな物件がありすぎてどのように絞って行けばいいかわからない」という方は、ぜひ一度プロに相談してみるようにしましょう。